星野科学開発-食品、漢方薬の機能性成分への酵素処理の一例を紹介します。
高麗人参いわゆる朝鮮人参(オタネニンジン;Panax ginseng,紅参)には薬効成分としてサポニン配糖体(Ginsenosides)を含んでいます。
Ginsenosidesには配糖体の形やそのアグリコンaglyconeなど多種類が存在します。
主として含まれる成分はGinsenoside Rb1です。
それらの分解生成物である Ginsenoside Rg3 やRh2、compoundKなどが機能性を発揮するといわれています。Ginsenoside Rb1が体内吸収変換される効率には腸内細菌が関わっているとされ、また乳酸菌などもこれらのサポニン配糖体を吸収しやすい形に変換することができると報告されています。そして、この働きには微生物が持っている酵素が作用していると考えられています。
以上のことから、高麗人参を微生物で発酵させて吸収効率の良いサポニン配糖体を増加させた「発酵高麗人参」が市販されています。
今回は、サポニン配糖体の変換を酵素法によっておこないました。
酵素の種類や反応条件の組み合わせ等により、compoundKまでの変換や前駆体であるGinsenoside Rdを蓄積させることが可能です。
微生物発酵処理のように複雑な管理が不要で、短時間で変換可能であるのが本技術のメリットです。
高麗人参サポニン配糖体の酵素処理ポスター